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アルツハイマー病の発症にヘルペスウィルスが関係している?最新の研究報告を紹介

2020年03月23日

近年アメリカのマウントサイナイ・アイカーン医科大学の研究において、アルツハイマーとヘルペスウィルスが関係しているということが発表されました。全く関係がなさそうに見えるこのふたつですが、アルツハイマー病を発症している人は、あるヘルペスウィルスが健康な人の2倍検出されているのです。

もともと高齢者の脳内には単純ヘルペスウィルス1型であるHSV-1が存在していることがわかっていました。同時にアルツハイマー病の原因となるアポリポ蛋白質E遺伝子多型が存在すると、よりリスクが高まるという結果になるのです。HSV-1とアポリポ蛋白質E遺伝子多型が脳内に同時に存在すると、両ウィルスが存在しない時に比べて12倍もリスクが高まってしまうのです。

ヘルペスウィルスは仙骨神経節に潜り込んでいて、免疫力が低下すると何度でも活性化してしまうウィルスです。加齢と共に免疫力が低下していくので、ヘルペスウィルスが活性化しやすい状態になってしまうのです。

ヘルペスウィルスが活性化すると、異常にたんぱく質が脳内に蓄積されていくことが近年の研究で判明しました。実はこのたんぱく質が脳内に蓄積しているのはアルツハイマーの特徴で、それが要因となっていると言われているのです。

まず高齢化によって免疫力は確実に低下していき、HSVー1が脳内でも活性化していきます。それに伴って脳で炎症が生じて脳に損傷をもたらしていくのです。そしてたんぱく質が蓄積していくという流れになります。この脳に生じる損傷がアルツハイマーの原因になっているのです。しかし、ヘルペスウィルスが直結する原因であることは証明されておらず、関連があるという程度。アルツハイマーの発現率に関与している、としか言えないのです。

台湾での実験では抗ウイルス薬をアルツハイマーの治療薬として利用した結果、発症を抑制することができたという結果も得られています。それでもまだヘルペスウィルスが決定的な原因として認めるためには同様の実験の結果、大幅に発症率を引き下げたと証明されなければいけません。

もしもヘルペスウィルスとアルツハイマーの発症の関係が確たるものとなれば、抗ウィルス薬を使った予防療法が確立されるかもしれません。そうなれば今よりももっとアルツハイマーの発症率も下がって、より生きやすい未来がやってきます。これから更に研究が発展していき、確実な予防方法が確立されることを願うばかりです。